光が丘の家〜男の隠れ家 2005.5 至福の風呂空間特集

  眺望の良い丘の斜面に、切れ込みを入れたような敷地なので、こちらから景色を見ることはできても、景色の側からこの風呂を見ることは、余程の高層ビルから双眼鏡でも覗かないかぎりできません。

 吹き渡る風を、そのまま透過させようと思いました。穏やかな瀬戸内海気候の恩恵を最大限引き出そうと思いました。

 忙しいクライアントのために、心身ともに癒される空間と時間を造ろうと思いこの風呂を計画しました。風呂からは広島市内が一望できます。街に灯りがつき始める夕暮れに、勿論裸で風呂と連動したテラスに立ち、都市を吹き渡る風を全身に浴びつつ、暮れなずむ都市の明かりを見下ろしていると、癒されると同時に明日への活力がみなぎってくるのです。

 夏は、テラスにテーブルを置き、ビールジョッキを仕度して、冬は、熱めに沸かした浴槽から、外照明の中浮かび上がるように降る雪を見ながら、ブローバスのスイッチを入れるのです。なんともゆったりとした贅沢な時間が流れるのです。これぞ至福のひとときではないでしょうか。

飯田修平)