梅花卯木(ばいかうつぎ)
たぶん多くの人が、新しい週を向かえるために、すっかりやすんでいる日曜日の深夜。
わたくしは、こうしてパソコンに向かっている。
いつものように遅い夕食後、ダイニングテーブルのいすで2・3時間眠ったあとで。
だからといって深刻な仕事を、こなしているわけではない。
好きなことをしていたい。早く眠ってしまいたい。両方の思いの間で、たゆたうようにただ呆然としていたいのだろう。自らの意思も曖昧だ。
土曜日は、勤めている「各種学校」において新人講師研修の指導講師をこなし、今日は8時まで授業をした。
数年前までは、“熱血講師”として有名だったが、最近では自分でも時々「あれっ」と思うくらい枯れていて、言い方を代えれば円熟?してきたのか。円熟とは違うな。
また昔のように、「熱血になってみようかな。」などと考えてみたりする。
それにしても、いま日曜日の深夜なのである。
さっきコンビニエンスストアにパジャマのままで、煙草を買いに行った。さっき山崎をグラスに注いできた。さっき、あともう少しで読み終わる小説を解説まで読んだ。
金曜日は、クライアント夫妻との打合せがあり、木曜日から忙しく図面を描いていた。
水曜日は、授業をした。
月曜日は、コラボレーション相手と火曜日に打ち合せるために、頭を転がしていた。
それらの合間に、小さな改修の打合せを家主さんと工務店の双方としたり、近作完成祝いのスケジュールを話し合ったり、おかしな人の相手をしたり…。
多忙に過ごした一週間を反芻するがごとく、浅く深い時間が流れていく。
小さなボリュームで、軽いハウスミュージックを聞いている。
酒も煙草もある。寝ても良い。明日から読む本も、なんとなく決まった。
だけど、ちょっと寂しい気もする。
こころ静かに、美しい造形を考察して過ごしたい。
例えば、はかなく可憐に咲く梅花卯木(ばいかうつぎ)をきっかけにして。
2008.5