かぶとむし

かぶとむしと云っても、正確には、オオクワガタなのであるが、

わたくし、この歳になって、かぶとむしの世話をしている。

家族が帰省し、帰ってきたかと思うと今度は、旅行に行ってしまった。

それは、それでたいへん良いことで、家内の両親には、たいへん感謝しています。

本当に、有り難いことです。

されど、かぶとむし。

つがいのかぶとむしなのであるが、これがなかなかエサを食べない。

こちらは、心配になり、オガクズをほじくり、本人たちを探し出し、

手のひらにエサをとり、そこへ彼らの口をもっていくと、ようやくオレンジの口?を伸ばして、

ちゅるちゅる食べるのである。

ここに、エサを付けておくからねと言って、あるいは、ここに新しいのを埋めて食べやすくしておくからねと言って、

置いておいても、翌日見ると、エサが減っていない。

それでまた、ほじくりだして、手のひらで食べさすのである。

「あのさ、こうやってしてあげないと、食べないのかい、君たち。」

と言いながら、内心まんざらでもない自分が、少し面倒になる。

「ちゃんと、食べないと、大きくなれないよ。」などと言いながら、基地にもどしてやる。

3本のクヌギの木に、霧吹きで水を含ませ、やれやれ、またねと、フタをするのである。

かぶとむしくん、自分で、エサくらい食べようよ。

2008.8