一級建築事務所 9月の風
観音のリフォーム
セロハンの花束

セロハンに包まれた一束の花束をプレゼントしようと思った。

クライアントは、私が15年程前修行していた設計事務所に、事務のパートタイマーとして働いていた人である。当時、築10年が経過していたその家の外装のリフレッシュ工事を依頼され、その時がこの家との出会いとなった。

それから15年。
私は独立し、彼女もパートの仕事をやめ、仕事を持つご主人と協力して花作りをされている。当時小学生だった二人のお子様は、それぞれ職を持ち一度離れていたこの家に帰ることになった。そこでリフォームを、となった訳である。

誠実で優しいご夫婦、そして成人した二人の子供たち。そんなご家族から15年ぶりにまた、私に依頼があったことが、私は本当に嬉しかった。有り難かった。感謝の気持ちを持った。セロハンにきちんと包んだ一束の花束。建物正面にポイントとなる屋外階段のイメージである。この建築の主題である。

私は、建築をするという行為を通して、一束の花束をクライアントに贈りたかったのである。感謝を込めて、ここに幸あれと心の中で叫んでいるのである。


観音のリフォームに寄せて
飯田修平

05.9.5

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